手紙

今日は心が熱くなる1日だった。

かなり照れ臭い内容も多いけど、

どうせ見る人少ないだろうからここに記録しとく。

 

なんだかんだあって今の家から引っ越さなければならなくなった。

今日は引っ越しに向けて朝から賃貸の内見。

昨日から内見をしまくってて、担当の人は自分よりひとつ下の女性。

 

かなりよく笑うしラフな人なので、すぐ打ち解けられた。

自分の賃貸の条件があまりにも無く

「今より家賃安ければ刑務所みたいな部屋でもいいっす」

って言ったら爆笑してた。安心。

 

んで、賃貸探す上でどうしても身の上や仕事、

プライベートの話をしなければならないんだけど、

まあ話していくにつれて自分のプライベートが

どれだけ普通とは異なるのか、段々とドン引きされる様で

容易に想像がついた。

 

向こうも仕事なので終始笑ってはくれているものの、

やっぱり自分は世間一般の感覚とはほとほとズレていて、

到底人と暮らしたり、同じ価値観の人を探すのは

かなりハードルが高い、という事を突きつけられた。

まあ、だからバンドやってんすけどね。

 

なんだかんだ引っ越し先の部屋も決まって

家に帰って自分のダメっぷりを掻き消すように

爆音でギターを弾いて、いつ使うかもわからん

変な音作りに熱中してたら5回ぐらいピンポン鳴った。

 

流石に夕方とは言え音がデカすぎたかもと少しビビリながら

インターホン出たら、郵便局だった。

 

「海外からの手紙で住所は間違いなくここなんですけど

 宛名が書かれていなくて、念のため確認でした」

とのこと。思い当たりはあるのですぐ受け取る。

 

〜2019年の1月、Nobody Celebrates My Birthdayで大阪行った時のこと〜

 

我々3人は仲が悪い訳ではないけれど、遠征先で行動を一緒にすることは稀。

ライブ翌日は個々に行動して、飛行便だけ一緒ってな感じだった。

俺は東武動物公園をソロで楽しみ、串揚げ食いながらしこたま酒飲んで関空へ。

関空でチェックインして席はバラバラだった。流石。

 

関空を出発して、事前にダウンロードしてた映画

「アドレナリン」でも見るかなとiPadを開いたら隣は女性。

絶対画面見える距離。内容的にも少しコシる。

 

そしたらその女性、めちゃんこ寒そうにしてるの。

よく見たらエアコン直当たり。

しかもエアバス機のエアコンって操作分かりにくい。

 

そんなもんでとりあえずiPad閉まって、「寒いです?」って聞いたら

通じてないようだった。拙い英語で聞いたら首を縦に頷いたから

エアコン切った。でもってかなり薄着だったもんだから

「札幌着いたら地獄やで。上着はありますのん?」

と聞いたら「札幌行かないでそのまま小樽行く」とのこと。

そういうことじゃないのよ。

 

お互い拙い英語で色々話してたら

中国から友達4人で遊びに来たこと

雪も見たいけどそれより建築物見に来たこと

日本はちょこちょこ来るけど北海道はじめて

日本の電車の乗り方よく分からん

とかそんな事を話した。

 

帰ってから暇だし、話したのも何かの縁だと思って

札駅から小樽行きの電車に乗るまで一緒に送った。

もうちょい中国のバンドの話とか聞きたかったし。

んで、そんな中でインスタのアカウント交換した。

ケインさんは女の子と仲良く話してる俺をニヤニヤしながら見てた。やめろ。

 

で、小樽の街並みとか、どこオススメとかそんな連絡取り合って

帰国まで連絡取り合って(中国はインスタ禁止されてます)

彼女の帰国後はWeChatでたまーに連絡取り合ってた。

英語で、お互い辿々しい感じで。

 

自分遠征行ったら謎にライブハウス以外でこういう出会いが多くあって、

始発待ちでヌンチャクの話で仲良くなったお兄さんにCD買ってもらったり

電車でたまたま一緒になって話した学生さんがライブ見に来てくれたりと

なんかこういう縁が多くあります。

 

〜現在に戻る〜

そんでもって、コロナでわちゃわちゃしてから安否確認の連絡っきりだったので

1ヶ月前ぐらいに1年ぶりぐらいに連絡とってみた。

 

どうやら向こうは地域差はあるものの、公共交通機関以外では

マスク外してOKらしいとのこと。

 

「よかったね〜でもうらやましいわ、私はライブも思うようにできていないですわ」

って言ったら「手紙送るから住所教えて!」って来た。

唐突すぎて「?」ではあったものの、別に何送られてきても困らんしな

と思って住所を教えた。

 

で、今日。手紙が届いた。

全部日本語。しかもかなり長文。でもかなり辿々しい。

きっと翻訳サイトなんかで翻訳して、画面上の文字を必死に

見様見真似でペンで書いて送ってくれたんだろう。

 

もうなんか手紙開けて内容読みながらボロボロ泣いちゃって。

なんでこんな2年前に少し話しただけの人間にここまで

労力費やして手紙を書いて送ってくれたんだろう。って。

 

自分はこの2年で表情が無くなったと言われることが増えた。

ライブも無ければ仕事も地獄。挙げ句の果てにプライベートも色々あって地獄。

そんな状況の中で自分でもなんとなく気付くぐらい、暗くなった。

前よりも笑うのが下手になったのが自分でもよくわかる。

 

唯一心の底から笑えるのは、バンドで知り合った友人やバンドメンバーと

一緒にいる時、ライブの時だけになった。

 

まあそんなもんが普通なんだろうと思ってたけど

明らかにドス黒い何かが常に自分の心に付き纏うようになっていた。

何かを諦めたり、絶望したり、今までとは違う角度で傷付いたり

その結果として、表情が無くなったんだと思う。

 

手紙を読んだ瞬間、その伝えたいっていう気持ちや

純粋な意思疎通を図りたいという気持ちや

何度も消しては書いてをしたことがわかるその筆跡や

その全てが眩しすぎて、久々すぎて忘れてて、

それとは対照的な俺の自堕落な考えや、

浅はかさや、悩みとかやさぐれた気持ちとかも

全部クソ下らないし恥ずかしいものに思えて、

しばらく動けなかった。

 

せめてダメならダメなりに、こんな美しい手紙には、

誠意をもって俺も中国語で書いて返さないとダメだなと思った。

 

その後、fOULの映画を見に行った。

そこでも出てくる生活とバンドの両立と生き方、人生について。

 

俺はこの先家庭を築けるか分からないし、

今のところは到底無理だと思ってる。俺が弱すぎるので。雑魚雑魚。

 

でもさ、まだ、そんな俺でもなんかできると思っていたい気持ちが

小生意気にも少しあって、やっぱりそれは必ず主語が「バンド」になる。

 

「バンドで〜したい」

「バンドがあるから〜できる」

「バンドで〜できる」

 

手紙を貰えたのもバンドがあったから

心を病んで死なずに済んでるのもバンドがあったから。

バンドで沢山の友達ができたから

バンドで目標ができたから

バンドで会いたい人が増えたから

 

多分、バンドがなかったら、多分それなりにそれなりな人生は

送れていたかもしれない。別に家が貧しい訳でも無いし。

 

それでも、映画でも言われていたことではあったけど

鬱屈した何かは昔から常に俺に取り憑いていて

バンドで全て出して、今は良い形にできていると思ってる。

 

よかったよバンドあって。

そしてよかったよ。俺の心はまだなんとか死んでないことに気づけて。

 

出会った友達、まだ見ぬ友達、会いたい友達。

みんなのおかげで、バンドが楽しいし、

バンドが楽しいと、俺もまだ生きてて良いんだってなるよ。

 

改めて感謝してます。ありがとう。

遺書みたいだけど、まだ死ぬつもりはないです笑

 

マジで、本当によかった。

久々に、トータル全部良い一日だった。